不登校支援士

一般社団法人パルクでは「不登校支援士」「不登校支援専門士」の資格研修を始めます。今急増している不登校。とくに小中学生の増加が著しい現状です。しかしながら,不登校に関する研修は進んでおらず,知識や経験のないまま不登校児童生徒に対応せざるを得ない現状がさらに不登校を増加させ,長期化させているところです。

そこで,これまで私が実際現場での経験と公認心理師としての知識をできるだけ多くの方にお伝えして,一人でも多くの不登校で悩む児童生徒とその保護者を支援したいと考え,この研修を始めました。

不登校支援士養成研修の目的

現在、不登校の増加に歯止めがかからない状況であり、今後はさらに不登校の児童生徒が増加していくと考えられます。この状況の中、不登校児童生徒を支援する場面が増加しているが、専門的知識を有する支援者が少なく、専門知識を習得する場もないことが現状で、支援者の質の向上が課題となっています。

今まで学校の教員には,不登校を減らすために、教員の質の向上、授業改善、家庭訪問、保護者連携等を学校だけで取り組んできましたが、それに加えて不登校専門の知識を有する人材が実際に不登校児童生徒に関わることで、効果的な支援につなげ、不登校支援を充実させることができると考えています。

支援者の質が上がれば、不登校の数の減少や長期化の防止、さらには未然防止に対して成果が期待でます。このように本研修により、不登校対策の質・量をともに充実させていく人材を育成することを目的とします。

不登校支援士の役割

不登校に悩む子どもの心理的背景を考慮し,その精神的状態に寄り添うという立場でその行動や言動からの気づきを大切にする姿勢が必要です。その際,その子どもをとりまく人的環境も考慮し,保護者,学校の管理職,教職員,スクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカーなどと情報を共有し,多方面からのアセスメントをしていくことが特に重要です。それらを含めて,不登校という現象に対して、客観的に状況を分析し、児童生徒と信頼関係を築いていく中で,課題解決に向けての支援を継続的に不登校の原因を追究したり、そのとりまく環境に要因を見出したりするのではなく、どのような支援を行えば、児童生徒が前向きになり、自分の強みを見つけることができるのかという視点で分析することを大切にしています。

不登校支援士は、児童生徒が学校に復帰できるように、段階に応じた支援を提供します。児童生徒の人権に配慮し、児童生徒自らが学校に復帰する意思を示すまで、継続的な支援を行います。

不登校支援士は、児童生徒の特性に配慮しながら、強みを見つけ、それを自覚させ、強化していくことで自信を取り戻させます。その過程で得た経験が、学校復帰のみでなく、社会的自立につながることを意識しておくことが重要となります。